イタリアのアグリツリズモに泊まる旅
イタリアのアグリツーリズモ

アグリツーリズモとは、イタリア語で「農業」を意味する「アグリコルトゥーラ」(agricoltura)と「観光」を意味する「ツーリズモ」(turismo)を結び付けた造語です。のんびりとした田舎暮らしを楽しむためにアグリツーリズモを訪れる旅行者にとって、自然の美しさはもちろん、農家や農園の畑でとれた新鮮な野菜や果物、美味しいワインや香り高いオリーブオイルを楽しむことは、その大きな魅力のひとつです。

昔のアグリツーリズモは、農家で余っている部屋を活用するために旅行者に貸し出していました。時には宿泊費の代わりに農作業を手伝うこともあったようですが、時代が変わるにつれてアグリツーリズモでの過ごし方も変わりました。食品衛生の法律ができたことによって宿泊客が農作業をすることはなくなり、アグリツーリズモを訪れる旅行者はレンタカーをかりて田舎で休暇を過ごすことが目的となっています。

アグリツーリズモに初めて宿泊される方は、後述の基本情報をご一読いただけますと幸いです。

お客様がご自身でご覧になったアグリツーリズモの手配は、内容をお聞かせいただき手配の可否を検討させていただければ幸いです。ホームステイや民泊、格安価格の宿はお取り扱いがありません。少なくとも3星ホテル相当の宿泊費と手配手数料が必要となります。

現地ドライバーの送迎サービス

当社ではレンタカーの手配は承っておりません。送迎会社によるハイヤー(チャーター車)の手配は可能ですアグリツーリズモで独自に送り迎えの送迎を行っているところは、あまり聞かれません。公共の交通手段のみで移動をお考えの場合、予めお知らせ下さい。

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アグリツーリズモの基本情報

イタリアのアグリツーリズモ
  • アグリツーリズモは高級ホテル風から民宿まで幅が広い
  • シーズンは春~秋。通年営業は少なく、冬は休業が多い
  • レンタカーを運転できると、選択肢や行動範囲が広がる
  • ホテルと異なり、客室の備品やサービスが限られている
  • 予約に必要な泊数や条件、取消規定が厳しい場合が多い
  • チェックインやチェックアウトできる時間に注意が必要
  • クレジットカードが使えない場合が多く現金が好まれる

アグリツーリズモは幅が広い。

アグリツーリズモとひとことで言っても、そのタイプは様々で幅があります。例えば、農家の建物を大改造したお洒落なホテル型、キッチンやファミリータイプがある滞在型、農家の建物の一部を客室に改装した民宿型など、その違いは分かりづらくなっています。

農園が経営する本来のアグリツーリズモに共通する点は、部屋数が少ないことです。その為、ホリデーシーズンの予約は早い時期から欧米人を中心としたの旅行者の予約で埋まりやすい傾向があります。

アグリツーリズモのタイプは、大まかに分類すると下記の6つが挙げられます。

  • ワインの醸造所など農園や農家が経営するアグリツーリズモ
  • 郊外にある高級タイプのホテル、ヴィラ、マッセリア
  • 郊外にあるプチホテルやベッド&ブレックファースト
  • レストランがわずかな部屋を備えるロカンダ
  • 旅行者向けのキッチン付きアパートやレジデンス
  • 民宿やバックパッカー向けの格安ホテル、ホームステイ

通年営業は少なく、冬は休業が多い。

秋にぶどうの収穫が終わて一段落すると、11月ごろからオリーブオイルの製造に追われ、農家や農園にとって最も忙しい時期がやってきます。気温も少しずつ下がり、観光客も少なくなるシーズンオフの11月頃から3月~4月頃までの期間には、多くのアグリツーリズモが休業します。

春の営業再開は、毎年異なるイースター(復活祭)の日付に合わせて変動することもあります。中には通年営業するアグリツーリズモも存在しますが、その場合も冬はレストランや店舗が閉まる場合があります。

レンタカーは選択肢や行動範囲が広がる。

アグリツーリズモは、基本的にその多くが交通の便が悪い田舎に位置しています。公共の交通機関を使わずにアクセスできる場所はかなり少ないといえます。

田舎道は街灯が非常に少なく、小さな標識や看板だけが頼りとなる場合があります。初日は午後~夕方、空がまだ明るいうちにアグリツ-リズモに到着されることをおすすめします。

アグリツーリズモを選ぶ際や滞在中の過ごし方は、レンタカーを運転するかどうかでも変わります。レンタカーを運転できれば行動範囲が広がりますが、慣れないイタリアの田舎道や、日本と異なる道路事情や給油などの問題があります。

客室の備品やサービスが限られている。

アグリツーリズモはホテルと異なる点が数多くあります。本来、アグリツーリズモの客室はベッドが備わるだけの簡素な部屋です。浴室においても、バスタブがなくシャワーのみが一般的です。

シャンプーやその他のアメニティ類、ドライヤーが用意されていない場合もあります。また、ベッドや部屋の整頓や清掃、タオルやシーツを交換する回数も限られており、部屋にテレビや電話がない場合もあります。

中にはアンティークの調度品を備えた華麗な貴族の屋敷や僧院を宿泊施設に改装して活用したり、ビジネスとして古い農家の建物の趣を残したまま快適に過ごせるように設備を整えてホテルやB&B (ベッド・アンド・ブレックファースト)風にしたものなど例外もあります。

1週間以上の滞在には、欧米の旅行者に利用されることの多いミニキッチン付きのアパートメントタイプもあります。こうしたアパートメントタイプの宿泊施設では、レンタカーでのドライブや観光の途中で調達した食材や地元のオリーブオイルを使用して、簡単な料理を部屋に備わるミニキッチンで調理し、地元のワインと一緒に食事を楽しむことも、アグリツーリズモ滞在の過ごし方といえます。

予約に必要な泊数や条件、取消規定が厳しい場合が多い


アグリツーリズモは、通常2~3泊以上の予約を求められる場合が一般的です。

特にキッチン付きのアパートメントタイプでは、土曜日から翌土曜日までの週単位での宿泊が求められるアグリツーリズモが多い傾向が見られます。ただし、混雑状況によっては1週間未満の滞在も予約可能な場合があるため、滞在拠点を1週間固定するのが難しい場合はリクエストで打診することができます。

また、アグリツーリズモは一般的に部屋数が少ないという性質上、予約を入れる段階で宿泊料金の一部または全額を前払い(デポジット制)を予約条件としている場合があります。なかにはデポジットの前払いが不要な場合もありますが、支払い期限やキャンセル料が適用される期間は、一般のホテルよりも比較的早い時期に設定されています。

チェックインやチェックアウトできる時間に注意が必要

アグリツーリズモや旅行者向けの短期レンタルアパート、B&B(ベッド アンド ブレックファースト)の宿泊施設では、通常のホテルのようなフロント受付や常時スタッフがいない場合があり、チェックインやチェックアウトの時間に留意が必要です。

目安は、チェックインは午後15時~18時、チェックアウトは午前8時~10時ごろです。

また、アグリツーリズモの初日は、到着される時間に合わせて管理人が部屋の鍵を手渡しするケースが多いです。万一、鍵の受け渡し時間を逃してしまうと、管理人から鍵を受け取れず室内に入れない可能性があります。時間外のチェックインやチェックアウト、到着の遅れや早朝の出発などに際しては、必ず事前の連絡が重要です。

クレジットカードが使えない場合が多く現金が好まれる。

アグリツーリズモや田舎では、クレジットカードを利用できない場合があります。

例えば、農園の自家製品であるワインやオリーブオイル、ジャムなどの農産物加工品の購入や、マウンテンバイクや自転車のレンタル、宿泊料金に含まれていない食事代などは、少額紙幣の現金をお持ちになると安心です。

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