シチリア島のパレルモ市内観光の見どころ
パレルモは歴史的な建造物や文化遺産が豊富で、訪れる価値のある場所がたくさんあります。パレルモの町の観光には、丸1~2日くらいが一般的です。シチリアの美しい景観とともに、地元の料理や文化もお楽しみください。
クワットロ・カンティと周辺
クワットロ・カンティ(Quattro Canti)は、「四つ辻」という意味でヴィットリオ・エマヌエレ大通り(Via Vittorio Emanuele)とマクエダ通り(Via Maqueda)が交差する地点です。この小さな広場は17世紀に作られ、スペイン・バロック様式の彫刻で飾られた美しい壁が特徴です。建物のファサードは弧を描いており、全体的に小さな円形をなしています。この装飾は、交差点によって分割された当時の4つのエリアを象徴したものです。
また、クワットロ・カンティのすぐ脇にあるプレトリア広場(Piazza Pretoria)には、中央に大理石で飾られた豪華な16世紀の噴水があります。隣接するベッリーニ広場(Piazza Bellini)には、パレルモ独特のアラブ風とノルマン風の雰囲気が漂う2つの教会、マルトラーナ教会(Chiesa della Martorana)とサンカタルド教会(Chiesa di San Cataldo)が並んでいます。
マルトラーナ教会は12世紀に建てられたノルマン様式の教会で、内部はモザイクで豪華に装飾されています。特に注目すべきは、「祝福するキリスト像」で、周囲には「使徒」、「福音史家」、「預言者」、そして「旧約聖書の物語」が描かれています。
すぐ隣にあるサンカタルド教会は、ノルマン人によって建てられた12世紀の教会で、3つのアラブ風な半球の丸い屋根があるのが特徴です。赤い半球は、ハレムに仕える人、中国風に言えば宦官がかぶる帽子を模したものとされています。
ノルマン王宮とパラティーナ礼拝堂
ノルマン王宮は、9世紀にアラブ人によって建てられた城を12世紀にノルマン人が王宮として拡張し、現在はシチリア州議会議事堂が内部におかれています。有名なパラティーナ礼拝堂(Cappella Palatina↗)は、金色を主体とした壁画で飾られたモザイクがあり、当時の栄華を思わせる見事なものです。
その上の階にあたる王族の部屋のルッジェーロ王の間は、パラティーナ礼拝堂と並んでノルマン芸術の最高傑作の一つであり、草木や動物が描かれた素晴らしいモザイク画で覆われた貴重な部屋です。
カテドラーレ(パレルモ大聖堂)
初期のキリスト教の教会が後にモスクにつくりかえられ、ノルマン王朝時代に再び教会に戻されるという歴史を持ち、改造や増築が重ねられてきましした。右側廊の第一、第二礼拝堂は王の霊廟になっており、王家の人々の棺が安置されています。また、地下には納骨堂があり、列柱の間には異なる浮彫が施された石棺が並んでいます。宝物館には、フェデリコ2世の王妃コンスタンツァの王冠が展示されています。この冠は非常に豪華で、アーモンドほどの大きさのさまざまな宝石や真珠で飾られています。
サン・ジョバンニ・デッリ・エレミティ教会
ノルマン王ルッジェーロ2世の命により12世紀に建てられた教会で、以前からそこにあった建物の一部を包み込むようにしてアラブ人の建築家が設計したものです。エレミティとは「ヘルメット」という意味です。5つの赤い丸屋根や回廊のある花や植物であふれた中庭がエキゾチックな雰囲気を醸し出しています。
マッシモ劇場
マッシモ劇場(Teatro Massimo↗)は、芸術と音楽の愛好家にとって必見の場所であり、オペラやバレエ公演が行われる世界的にも有名な歌劇場です。劇場の最大の特徴は、客席数の多さです。マッシモ(最大)の名の通り、3200席もの客席数を誇ります。これはヨーロッパで最も大きな歌劇場の一つとされています。この劇場は映画「ゴッドファーザー PART III」のクライマックスシーンに登場したことから、観光客にとって人気のある写真スポットとなっています。
ポリテアマ劇場
円形のポリテアマ劇場(Teatro Politeama)は、建物の中央に大きな半円のアーチ型の入口があります。その上部からは、ブロンズの4頭立て2輪馬車の彫像が見下ろしています。ポリテアマ劇場の近くには、中高級ブランドのショップが連なるルッジェーロ・セッティモ通り(Via Ruggero Settimo)からリベルタ通り(Viale della Libertà)があります。この地域はおしゃれなカフェやショッピングの場所として知られており人々でにぎわっています。
パレルモの市場
パレルモの町の中心に位置し、歴史も古く、店や屋台が多いのはヴッチリア市場(Mercato della Vucciria)です。カラッチョロ広場(Piazza Caracciolo)周辺では、多くの人で賑わいます。入り口はサンドメニコ広場(Piazza San Domenico)から入り、ローマ通り(Via Roma)と並行する狭い路地を進んでいきます。ヴッチリア市場はパレルモで最も有名な市場の一つですが、最近は屋台の数が少なくなりつつあり、代わりにトラットリアやワインバーが出店するようになっています。
カーポ市場(Il Capo)は、ポルタ・カリー二広場(Piazza Porta Carini)周辺にあり、マッシモ劇場の裏側に位置するヴォルトゥルノ通り(Via Volturno)を進んで左手に見えてくるカリーニ門(Porta Carini)から約1帰路ほどの細長い市場です。衣料品や雑貨の露店が多く並び、シチリアの雑貨をお土産に探すのにも適しています。
バッラロ市場(Mercato di Ballaro)は、バッラロ広場(Piazza Ballaro)周辺に位置し、野菜、魚、オリーブ、チーズ、加工肉などの生鮮食品が豊富に取り扱われている活気ある市場です。パレルモ中央駅(Stazione Centrale di Palermo)の近くのトゥコリ通り(Corso Tukory)から、またはマクエダ通りからジェズ教会の方向へ進むます。バッラロ市場は早い時間に店が閉まる傾向があるため、早起きして訪れるのが良いでしょう。
市場エリアでは盗難が発生することもあるため、注意が必要です。常に警戒心を持ちながら訪れることをおすすめします。
ペッレグリーノ山とサンタ・ロザリア聖堂
ペッレグリーノ山(Monte Pellegrino)は、パレルモの北部に位置し、標高606メートルの山です。この山の頂上まで約14キロメートルほどの道のりを登ると、洞窟の一部が礼拝堂になっている聖地があります。ここはパレルモの守護聖人であるサンタ・ロザリアを奉っています。山頂からはパレルモの町や海を一望することができるパノラマスポットです。
シチリア州立美術館
15世紀に建てられたカタロニア ゴシック様式のアバテッリス宮殿 Palazzo Abatellis内にあり、中世から18世紀にかけての買いがや彫刻が中心です。必見はフレスコ画「死の凱旋 Trionfo della morte」とシチリア出身のアントネッロ・ダ・メッシーナの名画「受胎告知 Annunziata」など。
シチリア州立考古学博物館
16世紀の修道院を改装した博物館で、歴史豊かなシチリア各地で出土された品々が展示されています。見どころは、シラクーサ出土のヘレニズム時代のブロンズ羊像や、セリヌンテ出土のギリシャ神殿を飾っていたメトープなど。
モンレアーレ
モンレアーレ(Monreale)はパレルモの西南約8km、市内から車で約20分ほどの山間にある小さな町です。ここからは、黄金の盆地と呼ばれるパレルモ湾を見渡せる素晴らしいパノラマが広がっています。パレルモに滞在する際には、ぜひ訪れてみたい場所です。
「モンレアーレ」という名前は「王の山」を意味し、その名にふさわしい見事なドゥオモ(Duomo)はアラブ、ビザンチン、ロマネスク様式の建築と装飾が巧みに調和した名寺院です。内部は6,000㎡にわたってモザイクで飾られており、その黄金色に輝くモザイクは見る者を圧倒します。このモザイクは12世紀から13世紀の間に造られたもので、広い平面を覆い、新旧約聖書のさまざまな場面が描かれています。また、後陣のドームには巨大なクリスト・パンクラトーレ(Cristo Pantocratore)全能神の像が描かれています。
寺院の右手に隣接するベネディクト修道院の回廊(Chiostro)は、尖塔型アーチのあるさまざまな彫刻が施された二重の円柱が並ぶ柱廊で囲まれています。その一角には、四角形の囲いの中にシュロの木の形の泉があります。
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