南イタリアのプーリア州 主な観光地と見どころ

プーリア州は地中海の真ん中にあり、西洋文明を育んできた地中海の東西航路の中継地として、むかしから重要な役割を担ってきました。
様々な文化と伝統の交差点ともいうべきプーリア州は、イタリアと地中海の歴史の中でも重要な地方です。観光の面では、きらめく太陽と澄みきったエメラルドの海だけでなく、歴史的な文化遺産も豊かな土地です。
プーリア地方への旅は、様々な時代の遺跡やモニュメントを見学するチャンスです。芸術、歴史、文明の面影を味わいたい人には無上の経験となるでしょう。
プーリア州で一番人気の観光地は、トゥルッリと呼ばれるとんがり屋根の建物が並ぶアルベロベッロ Alberobello。他にはプーリア州の州都でサン・ニコラ教会など中世と近代両方の顔を持つ大都市バーリ Bari。バロック建築の教会や建物群が美しいレッチェ Lecce、アッピア街道の終点地で東方への玄関口でもあるブリンディシ Brindisi、13世紀の名君フェデリコ2世が建てた荒野にそびえる世界遺産の城カステル・デル・モンテ Castel del Monte。
世界遺産サン・ミケーレ聖所記念堂がある町モンテ・サンタンジェロ Monte Sant’Angelo。丘の上の白い町オストゥーニ Ostuniやロコロトンド Locorotondo、海沿いの聖堂が美しいトラーニ Trani、オトラント Otoranto、ポリニャーノ・ア・マーレ Polignano A Mare。
南ギリシャ文化・芸術コレクションを誇る国立博物館が有名な港町ターラント Tarantoなどがあり、長い海岸線や荒野に点在するトゥルッリやオリーブオイルの木々の景観が印象的な州です。
プーリア州は特にオリーブオイルが美味しいことでも知られています。耳たぶの形をしたオレッキエッテのパスタが名物です。

プーリア州の主な観光地
なだらかな丘が続く緑豊な農村地帯であるアルベロベッロの地方では、とんがり帽子のような屋根がついたトゥルッリがポツポツと現れます。なぜアルベロベッロは、約1400棟ものトゥルッリが建ち並んでいる唯一の町なのでしょう。そして人々はなぜこの形の家を造ったのでしょうか。
この地方では、これが一番安上がりで長持ちする家の造り方だったというのが理由です。材料はこの辺りの地下を掘れば、いくつでも出てくる石灰岩の一種で容易に平に割れる性質があります。
その歴史は15世紀に始まりました。当時支配していたアラゴンのアクアイーヴァ伯爵は料理の周囲から農民を呼び集め、町を形成し、民を治めました。ただ、当時のナポリ王国にあった税制が新築の家に課税をするというものだったので、税金を納めたくないこの伯爵は徴税の役人が来たらすぐに取り壊せるような建物をつくることを考案しました。
実際、トゥルッリは積石をモルタルで固めない「キャンカレッレ」という平たい円錐状に積んだ屋根を持つ小屋でした。絶えず家を造ったり壊したりする悪政は18世紀まで続きました。
当時の南イタリア王フェルナンド4世は、地方巡行の途中でアルベロベッロのことを耳にし、町を視察することを決めました。その結果、アルベロベッロが王直属の町となったのは1797年のことです。
それ以降も、農民達がトゥルッリを造り続けたというわけで、トゥルッリの町はそのまま残っています。今日ではアルベロベッロは「おとぎの国」または「メルヘンの町」とも呼ばれています。
アルベロベッロの旧市街にはトゥルッリの家々が密集し、坂道が迷路のように続いています。
- 旧市街 リオーネ・モンティ地区
Rione Monti - 生活のための住居が残るアイア・ピッコラ地区
Rione Aia Piccola - トゥルッリの町並みを見渡す展望台・広場
Piazza Giangirolamo - サンアントニオ教会(トゥルッリの教会)
La chiesa di S. Antonio - トゥルッロ・ソヴラーノ(2階建てのトゥルッロ)
Trullo Sovrano - アルベロベッロの守護成人を祀る教会
聖コズマ・ェ・ダミアーノ教会
Basilica dei S.S.Cosma e Damiano
オストゥーニは丘にまたがり、城壁で囲まれた古い町並みを持っています。大聖堂は15世紀末に建てられたもので、まわりは白い小路が何本も走っており、ファザードの上にはバロック時代の到来を告げる波形の変わった切妻が見えます。
- カテドラーレ(大聖堂)
バラ窓が有名
Cattedrale - リベルタ広場
Piazza Liberta’
ロコロトンドの地名は、ロコ(場所)・ロトンド(丸い)という意味です。まわりを道が同心円状に巡っており、クンメルセ Cummerseと呼ばれるこの地方独特の白い尖った屋根をもつ白い家々や路地が続いています。ロコロトンドはイタリアの最も美しい村 Borghi piu’ belli d’Italiaに加盟する町のひとつでもあり、イトリアの谷を見下ろす素晴らしい眺望がひらけます。辛口の白ワインでも有名です。
- 町の守護聖人を祀る教会
サン・ジョルジョ教会
Chiesa di San Giorgio - サン・ニコラ教会
Chiesa di San Nicola
白い町マルティナ・フランカはムルジェの丘陵のひとつに位置し、旧市街はこの頂きにあって まわりを城壁で囲まれ、バロック様式とロココ様式の並ぶ町並みを成しています。サンマルティーノ参事会教会や沢山のバロック様式の宮殿が並ぶカブール通りも見どころです。
- ドゥカーレ宮殿(市庁舎)
Palazzo Ducale
「貴族の間」が有名 - サン・マルティーノ教会
San Martino - 白い家々が続くラーマ地区
Quartiere Lama
カステル・デル・モンテ(モンテ城)は、名君として知られ当時南イタリアを統治していた神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ(イタリア語でフェデリコ)2世がバーリ近くの高台に建てた城です。均衡のとれた八角形構造で八角形の塔と庭があり、中世の軍事建築として大変独創的で世界遺産に登録されています。
バーリの南東約40キロ程のところにあるグロッテ・ディ・カステッラーナ Grotte di Castellanaは、ムルジェの丘陵の石灰岩質の地下を流れる水位脈によって浸食され、その後水が流れなくなって出来た大きな洞窟で、1938年に人々の目の前に姿を現しました。さまざまな形をした凝結物、例えば、鍾乳洞の壁をおおう石灰岩、多色の鍾乳石、石筍が見られます。さらに深さ70mのところには、方解石の結晶の為に輝いている白の洞窟Grotta Bianca があり、世界一豪華な洞窟と呼ばれ一見の価値があります。
レッチェはサレント半島の真ん中に位置する。レッチェは16世紀から18世紀にかけて全盛期を迎え、この時代にルネッサンス、ロココ、バロックの記念建造物が町のあちこちに建てられた。このようなたくさんのバロックの建造物故に、レッチェは「バロックのフィレンツェ」や、「南のフィレンツェ」と呼ばれる。見どころは サンタ・クローチェ・バジリカ聖堂や、ドゥオーモ広場などです。
- サンタ・クローチェ聖堂
Basilica di Santa Croce - ドゥオモ広場
Piazza del Duomo - 円形闘技場
Anfiteatro Romano - サン・マッテオ教会
Chiesa di S.Matteo - サントロンツォ広場
Piazza S.Oronzo - カルロ5世の城
Castello di Carlo V
イタリアの端、長靴の踵の東岸にある漁港は、かつてはオトラント地方の首都であり、長い間ロンバルディア人やノルマン人に対して抵抗を続けたビザンチン帝国の最後の砦であった。大聖堂はモザイクの装飾が大変素晴らしい一巻の絵巻となっている。
- カテドラーレ(大聖堂)
Cattedrale - アラゴン城
Castello Aragonese
ガッリポリは古い町で、橋で新しい町と繋がれている。美しい小さな港があり、さらにアンジュー家の城、バロック様式のファザー土のある大聖堂は、レッチェの様式を思わせる。すぐ近くにはバロック様式のサンタ・テレーザ教会があり、ラ・プリッシマ教会は豪華なサロンのように飾られている。
防備の固い軍港のターラントは、ふたつの要塞島によって取り囲まれた広大な停泊地の奥を占めている。ここは紀元前7世紀に建てられ、マグナ=グラエキア(南イタリアの古代ギリシャ植民都市群)の中でも最も重要な町であった。旧市街は旋回橋で現代風な町と結ばれた島にある。国立美術館は陶器コレクションを所蔵し、見事である。
- 国立考古学博物館
Museo Nazionale Archeologico di Taranto - ドゥオモ(大聖堂)